皆様は常人だろうか? ここでいう「常人」とは犯罪に手を染めず、倫理観を確立した人間であることを指す。
皆口を揃えて「私は常人だ」と言う事だろう。それは間違いない。私もまた常人であると自負している。
しかし、時に人間は自分が気づかないうちに「悪魔」になりうる時があるのだ。
そんな「人間が如何にその置かれた状況によってモラルや倫理を邪悪なものへと変化させるか」を有名な心理実験に基づいて綴っていこう。
この記事は注意喚起の意味も込めて綴らせて頂く。 最後には我々がそうならないためにはどうするべきなのか?を私なりの見解を綴ろう
例を2つ挙げて話そう。
スタンフォード監獄実験
1971年にスタンフォード大学で実施された社会心理学の実験。
この実験では架空の刑務所を大学構内につくり、被験者をアルバイトで雇う。彼らを看守役と囚人役にそれぞれ分け、2週間缶詰にして、役割を与えられた学生がどのような心理的変化をするかを検証するものだった。
実験は大がかりで、実験の初日には地元の警察に依頼し、囚人役の学生を自宅で逮捕してもらい、そのまま架空の刑務所に連行するという演出まで再現している。被験者に「これは実験ではなく、現実である」と錯覚させるためだ。
ところが実験は考案者の想定外の出来事が続き、わずか5日目で中止となった。理由は、
役割として看守を演じていた学生が、あまりに残忍な行為を繰り返し、囚人役の学生に甚大な被害を及ぼす可能性が出てきたからだ。
以来「スタンフォード監獄実験」という言葉は、
人が置かれた環境によって、いかに変化するものか
を表す代名詞のように使われるようになった。
ミルグラム実験
被験者たちはあらかじめ「体験」として45ボルトの電気ショックを受け、「生徒」が受ける痛みを体験させられる。次に「教師」と「生徒」は別の部屋に分けられ、インターフォンを通じてお互いの声のみが聞こえる状況下に置かれた。被験者には武器で脅されるといった物理的なプレッシャーや、家族が人質に取られているといった精神的なプレッシャーは全くない。
「教師」はまず2つの対になる単語リストを読み上げる。その後、単語の一方のみを読み上げ、対応する単語を4択で質問する。「生徒」は4つのボタンのうち、答えの番号のボタンを押す。「生徒」が正解すると、「教師」は次の単語リストに移る。「生徒」が間違えると、「教師」は「生徒」に電気ショックを流すよう指示を受けた。また電圧は最初は45ボルトで、「生徒」が1問間違えるごとに15ボルトずつ電圧の強さを上げていくよう指示された。
電気ショックを与えるスイッチには、電圧とともに、そのショックの程度を示す言葉が表記されている。記録映像の残るある実験では以下の表記がなされた。
15ボルト “SLIGHT SHOCK”(軽い衝撃) 75ボルト “MODERATE SHOCK”(中度の衝撃) 135ボルト “STRONG SHOCK”(強い衝撃) 195ボルト “VERY STRONG SHOCK”(かなり強い衝撃) 255ボルト “INTENSE SHOCK”(激しい衝撃) 315ボルト “EXTREME INTENSITY SHOCK”(はなはだしく激しい衝撃) 375ボルト “DANGER: SEVERE SHOCK”(危険: 苛烈な衝撃) 435ボルト “X X X” 450ボルト “X X X”
450ボルトが最大で、435ボルトと共に但し書きはなく、“危険”をさらに超えた強さとして扱われる。被験者は「生徒」に電圧が付加されていると信じ込まされるが、実際には電圧は付加されていない。しかし各電圧の強さに応じ、あらかじめ録音された「『生徒』が苦痛を訴える声」がインターフォンから流された。電圧をあげるにつれて段々苦痛のリアクションが大きくなっていった。記録映像で確認できる生徒のリアクションは、まるで拷問を受けているかの如くの大絶叫で、ショックを受けた途端大きくのけ反るなど、一見してとても演技とは思えない迫力であった。
75ボルトになると、不快感をつぶやく。 120ボルトになると、大声で苦痛を訴える 135ボルトになると、うめき声をあげる 150ボルトになると、絶叫する。 180ボルトになると、「痛くてたまらない」と叫ぶ。 270ボルトになると、苦悶の金切声を上げる。 300ボルトになると、壁を叩いて実験中止を求める。 315ボルトになると、壁を叩いて実験を降りると叫ぶ。 330ボルトになると、無反応になる。
被験者が実験の続行を拒否しようとする意思を示した場合、白衣を着た権威のある博士らしき男が感情を全く乱さない超然とした態度で次のように通告した。
「続行してください。この実験は、あなたに続行していただかなくてはいけません。あなたに続行していただく事が絶対に必要なのです。迷うことはありません、あなたは続けるべきです。」
4度目の通告がなされた後も、依然として被験者が実験の中止を希望した場合、その時点で実験は中止された。そうでなければ、設定されていた最大電圧の450ボルトが3度続けて流されるまで実験は続けられた。
常人が牙を剥く
いかがだっただろうか?なんとも恐ろしい実験の数々だ。
我々の身近で言うところの
いじめ 渋谷ハロウィンの騒動
これらが良い例だろう。
それでは我々がそうならないためにはどうしたら良いのだろうか?
それは
確固たるエゴを自分の中に持つ
だ。 もっと簡単な言い方をすると
ワガママになれ
だろうか。
いずれの実験もその置かれた状況や環境が故に健全なモラルを逸脱した行動をとってしまうのだ。
しかし、確固たる健全なエゴを内に秘めていれば、自分の中で善悪の判断をする「ものさし」となりうるだろう。
いついかなる時も、自分のエゴにしたがって生きていれば道を踏み外すこともないのだ。
私はたとえ周囲に脅されたり茶化されたとしても、「自分の納得できない行動は決してしない」と決めている。
それは周囲の人間を傷つけるリスクはあるが、それ以上に周囲の人間を救うと私は信じている。
何故なら私は生粋の「幸福至上主義者」なのだから。