今更ながら「シン・エヴァンゲリオン」について感想を綴ろうと思う。
まだ本作を見たことの無い方はネタバレ要素が含まれるため、注意して頂きたい。
この記事を書くか否か、大変迷ったのだが「少しでもエヴァについて語りたい」その気持ちが錯綜し気づいたらキーボードを打ち始めていた。長々と綴るつもりはない。エヴァとの出会いから綴り、最後にはこの作品について私なりの評価を提示して終了とする。
それでは下記に目次を振るので各々確認して頂きたい。
総員、第一種戦闘配置
エヴァとの出会い
私が初めてエヴァを知ったのは「中学2年生」の時だった。奇しくも本作の主人公「碇シンジ」と同じ歳でエヴァに触れたのだ。
その時観た作品は「新劇場版エヴァンゲリオン・破」だった。あれは確か、金曜ロードショーでやっていただろうか。この作品はエヴァ作品の中でも屈指の人気を誇る作品であり、新劇場版のナンバリングタイトルで言うところの2番目の作品だ。
途中から観て分からなくない?
そう思われる方もいらっしゃるだろう。無論訳がわからなかった。
訳の分からない紫色の巨大ロボットが、訳の分からない現代アートにも似た敵と血肉飛び交う殺し合いをしているのだ。
そんな場面を急に目にしたら間違いなく、チャンネルをフジテレビかテレ東に変えることだろう。
しかし、その時何故か私は不思議とその様に釘付けになっていた。
面白い!
とか
グロい!
とかそう言った感情ではない。
なんかわからんがスゲェ…
ただこれだけが私の心の中を占めていた。
ロボットアニメは好きじゃない
私は今でもロボットアニメには全く興味はないし、観たいとも思わない。しかし、エヴァは別だ。
何も知らない人からしたらただのロボットアニメに見えるだろう。
だが違うのだ。
エヴァンゲリオンはロボットではなく「人造人間」なのだ。
人造人間なので当然臓器や血も通っている。敵から攻撃を受ければ血が流れ、食い荒らさられれば腑が飛び出る。ただ、意思が無いだけ。そんな不気味とも言えるものが私の好奇心を掴み離さなかった。
ヒロインのアスカが乗っているエヴァを惨たらしく食い荒らす初号機。そしてアスカのいるエントリープラグを無惨に噛み砕く初号機。その様に相応しく無いバックミュージックの「今日の日はさよなら」。そのシーンに深く心にトラウマを植え付けられた。しかし私は目を背けなかった。いや、
目を背けられなかったのだ
極め付けのラストシーンの「エヴァ初号機覚醒」で私は完全にエヴァにハマってしまった。
それからは一気に前作や原作を見漁った。
エヴァの魅力はこれに留まらないが、今回は「私とエヴァの馴れ初め」だけ綴るので、これ以降は番外編として別の機会を設けよう。
シン・エヴァンゲリオンの概要
それではいよいよ本記事のメインテーマであることを綴っていこう。まずはあらすじを簡単に綴ろう。
あらすじ ※ネタバレ
前作の「新劇場版エヴァンゲリオン・Q」の続きとなる本作。危うくフォースインパクトを起こしかけた主人公の碇シンジ。唯一心を開いていた友人である渚カヲルが目の前で爆死したのを目撃し完全に精神が崩壊してしまった。行く宛のない 綾波レイ(?) とシンジを強引に連れて行くアスカ。そこから物語は始まる。
L結界密度が濃い地域を進んでいくと、防護服に身を包んだかつての同級生であり友人の相田ケンスケと遭遇する。彼の案内で人類が生き延びている集落に一行は到着する。
そこでは貧しいながらも力強く、そして前向きに生きる人々。そしてもう1人のかつての友人である鈴原トウジと再開する。そこで一行はAAAヴンダーの迎えが来るまで過ごすこととなる。
しかし、シンジはカヲルの死を受け入れられず、誰との口を聞かずひたすらに自暴自棄になっていた。
一方で綾波(?)は集落の人たちと打ち解けていき、次第に自身の心に感情を生むようになっていた。
しかし、そんな日常は終わりを迎える。
AAAヴンダーは一行を迎えにきて、綾波はLCCへと還ってしまった(死んだ)。正常な精神を取り戻しつつあったシンジにとっては大変ショッキングだろう。
そんなこんなでNERVとの最終決戦に挑むWille苦戦を強いられ、絶体絶命でもうどうしようもない。その時、主人公のシンジは自らエヴァに乗ることを提案し、 NERV(人間を辞めた碇ゲンドウ) と決着をつける。
色々あってシンジは世界を再生し、「エヴァのいない世界」を作り上げた。その世界ではエヴァの呪縛に縛られる事なく成長したシンジ・アスカ・レイ・カヲル・マリの姿があった。スーツ姿のシンジは自立し現実世界を生きて行くのだった。
ありがとう
だいぶザックリしたあらすじとなったが大体合っているだろう。ここでは語り尽くせないほど、熱く興奮する展開が繰り広げられていた。最高だった。
感想・評価
本作は本当に語るべきところが多すぎてこの記事で納めるのは不可能だ。兎に角最高だった。エヴァファンの大多数が求めていたものを提供してくださった。
キャラクター
どのキャラクターも己に決着をつけていて、嫌いなキャラクターが1人もいなかった。みんな好きだ。
中でも賛否両論ある前半パートだが、これも私としては素晴らしいと感じた。鈴原トウジが兎に角大人びすぎていて感動した。なんなら作中一番大人だった。自暴自棄になっているシンジに対して一切咎める事なく、受け入れてくれていた。
あくまで「自立を強制させる」のではなく「自立を促す」その様は親や教育者は見習うべき姿勢だろう。
私の人生の中で数少ない「恩師」と言える先生。小学六年生の時の担任教師であるY先生を彷彿とさせるのだった。
ストーリー
ストーリーも大満足。いや、大正解だった。私は大いに納得する内容となった。これにて20年以上の歴史に幕を閉じた。そう胸を張って言えるだろう。
エヴァの大枠のストーリーの伝えたいこと。それは「自立」である。それを大いに体現してくれた。
映画やアニメの最終回を観終えると寂しい気持ちになると思う。しかし本作は、清々しいほどまでに気分が良く、今後の人生を前向きに生きて行く事ができるマインドになる。
文字通り人生を一変してしまう作品となった。
評価
本作の評価を100点満点で採点させていただこう。
∞/100点 である。
そう、シンクロ率∞だ。 今これに評価をつけることはできない。 何故なら、私の人生に評価をつけるのと同義だからだ。
さよなら、全てのエヴァンゲリオン
かつて無いほどに衝撃と感動を与えてくださった作品。それがエヴァンゲリオンだ。このコンテンツが歴史的に廃ったとしても、私が生きている限りこの作品のことを生涯忘れることはないだろう。
私は普段、映画館で作品を観た場合、必ず複数回は観ない。しかし、本作は初めて私に「複数回劇場で観たい」と思わせた。
本当に最高のエンターテイメント作品、いや
「半生」
だ。