「オカリナの怪人」
みなさんはこの言葉を聞いたことがあるだろうか?
恐らくこの言葉すら聞いたことがない方が大半だろう。
今回はそんなオカリナの怪人について皆さんに共有していこうと思う。
もし皆さんもオカリナの怪人に会うようであればコレだけは守っていただきたい。
必ず近づかないで欲しい
それでは世にも恐ろしいオカリナの怪人の目撃情報をもとに皆様に共有しよう。
二子玉川に住まうオカリナの怪人
昨年2020年7月某日、二子玉川の河川にある野球場で2つの少年野球チームが練習試合を行っていた。
午後13時から開始した試合は白熱し、両チームともに一歩も譲らず得点を重ねていった。
試合は延長を迎え日も暮れ始めていた。そんな時一方のチーム(チームAと呼称)のガタイのいい男の子がバッターボックスに立った。ピッチャーの投げた球はストレート。疲弊しているだろうバッターはその球を逃さず、バットの芯に球を当てた。
球はセンターポジションの頭上を超え、ホームランエリアへと至った。
その瞬間チームBの敗北が決定したのだった。練習試合とはいえど両チームともに力を出し切ったため悔し泣きする選手もいた。
渋々センターポジションの選手(A君と呼称)がホームランエリアに落ちたボールを拾いに行く。
しかしその時、A君は異変を感じた。
ピー ピー ピー
ボールの落ちた深い茂みの方からオカリナのような笛の音が一定の間隔で聞こえてくるのだ。
A君は不思議に思いチームのみんなの方へ振り返り、オカリナの音が聞こえたかをみんなに確認するが皆は知らないという。
「いいからボールを取ってこい!」
厳しいコーチの一声でA君は背筋が伸び、逃げるように深い茂みに入っていくのだった。
しばらく進むとオカリナの音は大きくなっていった。
ピー ピー ピー
次第に大きくなる音に比例し、A君の恐怖心も増していった。
奇しくもボールの落ちたであろう場所へ近づくにつれて、オカリナの音も増していった。
ドッドッドッドッ
A君の心音も次第に高鳴っていった。
そしてついにボールの落ちたであろう地点に到着した。
深い茂みに紛れてホームランボールを見つけた。
「早くボールを取ってみんなの元に戻ろう...!」
そう思っていたが遂にA君の視界が「ソレ」を捉えてしまった。
地べたに横たわったソレはまるでミイラのような姿をしていた。
肌は焦げ茶色に変色し、体の水分が無いのだろうか筋肉の皮下組織が浮き出ていて形をしっかり視認することができた。さらに凄まじい悪臭と共に先ほどまで聞こえていたオカリナの音が、そのミイラから大音量で流れていた。
ピー!!ピー!!ピー!!
A君には恐怖心を抱くと同時に、若干の好奇心が生まれていた。
「このオカリナの音の出どころはどこなのだろう...」
A君は横たわったそれを左の視線の端で少し観察することにした。
すると驚愕の光景がそこにあった。
ソレの身体には500円玉程度の大きさの無数の穴が空いていたのだ。
どうやらソレが呼吸運動をするたびに無数の穴にもまた空気が流動し、オカリナの要領で笛のような音が鳴っていたようだ。
A君はその奇怪な様子にをみて、心が恐怖に支配されパニック状態でみんなの元に戻っていった。
事情をチームメンバーや大人達に話し、すぐに戻ってみるとそこには何も残っていなかった.......
これがオカリナの怪人に纏わる目撃談だ。
日や学者達によってオカリナ怪人の正体について論争が交わされている。
しかし私はその正体を知っている。
オカリナ怪人の正体とは
20年後の大豆丸だったのだ。